クルマのブログ

クルマに関するあらゆるわかりにくいことについて解説します

タイヤの空気はいつ入れる?

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タイヤも、気圧と温度で空気の圧力が変化します
今回はそんな温度変化の話です

 

タイヤに空気、いつ入れるか?

冷間時です

タイヤが冷えている時に空気を入れてください

 

1気圧

もし気圧が0だとどうなるか、というと、それは真空状態です

大気圧、というと、1気圧のこと

 

基準

海面の気圧(海面大気圧)

標高0メートル地点、ということですかね

 

1気圧は、1平方センチメートルに対して1kgの力を加えている

気圧が下がるとこの圧力は下がります

標高が1000メートル高い地点では、気圧は約0.1気圧下がることになり、高度1万メートルだとそこはもう0.285気圧になるそうです

とにかく、普段乗っている分にはそんなに標高差はないと思いますが、都市部から山間部へ移動する時は、タイヤの空気は0.01気圧程度減っている、と思っていていいと思います

1度の温度変化

 

気温が1度上がると、気圧は0.01気圧上がります

 

走行すると空気圧は上がっている

走行すれば、摩擦が起きて、空気が温まります。そのため、タイヤ内部の空気も温まって膨張し、空気圧は上がります

では、タイヤ内部の空気の温度はどれくらいまで上がるのか?

 

速度80キロ程度なら、30〜40度上がるそうです

少なくとも、0.1気圧から0.2気圧は確実に上がっていることになるでしょう

 

いつ空気を入れるべきか

ということは、もしあちこち走り回った状態でスタンドに駆け込み、空気を入れると、タイヤが冷えた時に圧力は減っている、ということになります!

 

空気はスタンドで入れる場合、高めに入れないといけないことになります

 

どれくらい多めに入れるべきかはその状態に寄りますが、おそらく、目安で0.3気圧、30kpaは多く入れないといけないはずです

 

なるべく、タイヤの空気は自宅で、走っていない時に入れましょう

必ず狂いが生じています

 

 

タイヤの空気入れは、フットポンプがオススメです
1000円ほどで買えます
車に積んでおくこともできます

 

 

 

補足

狂いが生じない、という点で窒素ガスがあるのかもしれないですが(気温による圧力変化が大きくない)

ここで窒素の性質について見てみましょう

https://www.askiitians.com/iit-jee-states-of-matter/deviation-from-ideal-gas-behavior/より

 

PV/RTは、気体の物質量(モル)を表します

気体の圧力をP、体積をV、定数をR、絶対温度をTとします

1気圧は1atmです

つまり、これは理想気体からのずれの度合い、を表すグラフです
これが1(理想気体)に近いほど、気体として温度と密度による影響が一定です
ここでは、とりあえず気体として温度変化の影響を受ける度合い、くらいに思ってください

 

グラフはちょっと圧力の単位が大きすぎるのですが、ご容赦ください
タイヤに入れるくらいの圧力の範囲では、窒素は影響を受ける度合いが小さい、つまり、

 

窒素は気温や標高の変化による圧力変化に対して影響を受けにくいことになります

 

なお、水素を入れると爆発の危険がありますのでいれられないです

酸素との比較がなくて残念なのですが…

酸素よりも、窒素の方が温度などの影響を受けにくいようです

 

あと、空気中の水蒸気量も問題になるのかもしれません

次のグラフは飽和水蒸気圧です

気象予報士に聞いた最も解りやすい「低気圧」のはなし よりhttp://lowpressure.seesaa.net/article/416114617.html

 

飽和水蒸気圧とは、空気中の水蒸気が空気に含むことができるめいいっぱいの量のときの空気を押す圧力のことで、温度変化で圧力がかなり変動することがわかります

 

気温30度、湿度100%の日に空気を2気圧入れたとして、気温が30度下がった場合

気温30度の時の空気1気圧に占める飽和水蒸気圧の割合

42.43 ÷ 1000 ≒ 0.042 4.2パーセント

2 × 0.042 = 0.084 0.084気圧、8.4kpa

気温0度の時の空気1 気圧に占める飽和水蒸気圧の割合

6.11 ÷ 1000 ≒ 0.00611 0.611パーセント

2 × 0.00611 = 0.0122、1.2kpa

 

 

なので、30度気温が下がっただけで水蒸気圧は元の14パーセントまで低下してしまう

タイヤ全体では、気温30度から0度に、30度気温が下がっただけで200kpa入れた空気圧が7.2kpa減って192.8kpaになってしまう(空気の凝縮分は今回カウントしていない)、ということになります

そのせいでしょうか、レース車両には、窒素ではなく水分を取り除いた乾燥空気が入れられているそうです

 

 

以上の特徴を踏まえると、窒素はタイヤに入れても効果が薄いのではないか? と思います

 

と言いますのも、

タイヤに空気を入れようとする時点で、タイヤ内部には最低でも1気圧残っていますよね
そこに窒素を1気圧入れても、純粋に窒素だけで満たされた2気圧にはなりません

 

空気の濃度がそれまでの半分に下がるだけ

さらに、空気の80%は窒素です

 

窒素を入れて、費用に見合う効果があるのか、ちょっと疑わしい(と私は思います)

 

窒素を入れて効果があるのは、環境がシビアで、なおかつ、最高クラスの安全が求められる用途だけだと思います

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