クルマのブログ

クルマに関するあらゆるわかりにくいことについて解説します

ベルトの話

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ベルトの種類

  • Vベルト(まさにVの字型なのでVベルト、と呼ばれている)
  • Vリブドベルト(ribbedうねのある、つまり、うねがあるVベルト)
  • コグベルト(cog歯車の歯、山が等間隔に回転方向に対して真横に並んでいるベルト)

 

 

昔はVベルトがよく使われていました

Vベルトは耐久性があります

問題は、ベルトが厚くなりがちなので、硬くなりがち

そのため、レイアウトに柔軟に対応できません

また、プーリ(滑車)と接する表面積がVリブドベルトよりも小さくなってしまうので、伝達できる

力に劣ること、そのために高回転させるとロスが大きくなってしまう、という特徴があります

現在の主流 Vリブドベルト

Vリブドベルトは、薄く、ベルトの山がいくつも並んでいるベルトです

耐久性はVベルトほどはないようです

薄いので柔軟性があり、複雑なベルトのかけ方をしても大丈夫なので、よく使われます

また、山がいくつもあることで、プーリに接触している面積が増えるので、力が伝わりやすい

そのため、プーリを高速で回しても対応できます

代わりに、少しベルトが緩んでくる(スリップしている)と、音がしやすいです

 

なんのためにあるのか

  • プーリを回すため
  • 動力伝達のため

ベルトはただ単に、プーリを回すためと、動力を伝えるためにあります

 

 

 ベルトを使う利点

 

  • 設計レイアウトがしやすくなる?
  • 動力を有効に振り分けられる
  • 離れたものに動力を伝えられる
  • タイミングを合わせられる

 

ベルトがあることによって、離れたプーリ同士をつなぐことができます

なので、機械のレイアウトに変更が加えやすくなります

今の車は、サ−ペンタインベルト(serpentはヘビの意味、serpentineでヘビ状の)と呼ばれる長いベルトが使われていることが多いですが、ベルト1歩でいろんなプーリを回すようになっています

 

また、エンジンで言えば、クランクシャフトの動力をプーリを介して他の部品に伝えることができます(オルタネーター、ウォーターポンプ、エアコンコンプレッサーなど)

さらに、タイミングの同期を行えます

 

 

ベルトの素材

ベルトはゴムと芯線となるガラスなどの繊維でできています

伸びないように繊維で補強されている、というイメージです

 

耐久性

ベルトは劣化します

およそ、Vリブドベルトでは5万から10万キロ(製品によって差がある)

タイミングベルトでは10万キロです

 

素材にゴムが使われているので、かならず劣化します

 

ベルトの劣化

車検でベルトを見ると割と多くあることですが、ベルトにヒビが入っていることがあります

このまま放っておくと、いつかベルトが切れてしまいます

切れたら、動力が伝わらないので、機能が一つ停止します

車にとっては一大事です

 

 

よく聞く「ベルト調整」とは何か

ベルトは、伸びます

伸びてしまうと、ベルトの張りが無くなります

 

ベルトはピーンと張っている状態にならないと、動力がうまく伝わりません
たわんでいると、動力が伝わらないんです

 

ベルトの張りを蘇らせるためには、どうするか
簡単です。伸びた分をまたピーンと張ればいいんです

プーリが2つある場合でも3つある場合でも同じですが、どれか1つのプーリがついている部品に、その部品の位置をずらす調整用の溝か、あるいは機構がついています

ない場合は、部品を取り付けているボルトを緩めて位置を調整した状態でボルトをまた締めてあげればいいです

 

これをすることで、動力の伝達が上手くいって、効率が上がりロスが減ります

また、キュルキュルキュルという音がしなくなります

(ベルトが緩むと、キュルキュル音がする。つまり、滑っている状態)

 

車でエアコンをつけた瞬間にキュルキュルと音がした
ヘッドライトをつけた瞬間にキュルキュルと音がした

 

という経験はありませんか?

 

それは、ベルトが滑っている音です

 

修理工場に持ち込んで調整してもらった方がいいです

 

ベルトの劣化の見分け方

  • ベルトのひび割れ
  • ベルト山の欠け
  • ベルトの溝が摩耗してなくなっている

 

ベルトを見るときは、これです
あとは走行距離で判断したりしますが、タイミングベルト以外は目視できるので、目で見て状態を確認できます

 

他のもので代用できないの?

おそらく、

  • コストの問題
  • 構造の問題
  • 耐久性の問題

 

があるので、ベルトをベルト以外のもので代用することは無理です

ゴム製のベルトでなくても、プーリが回ってくれればいいんですが…
(よく昔から、非常時にはストッキングを代わりに使うといい、なんていう人もいます)

 

また、ギヤで回そうとすると、ロスが多くなりすぎるはずですし、レイアウトが制限されるはずです

 

ギヤを使って回そうとする場合、ギヤの潤滑が大変だし、ギヤがいずれ摩耗するし、音がするようになっても修正ができなくなりますし、その対策だけで余計なスペースや機構をつけなければならないでしょう

 

ということで、ベルトがいままでも使われているんですね、きっと

 

 

ベルトの交換と調整

 

タイミングベルトの交換になると、整備士にお願いすることになります

というのも、少し複雑な作業なので、専門家である整備士に任せた方が安全だ、というのと、最低限の道具が揃っていないとうまくいかないからです

Vベルト・Vリブドベルトの交換くらいなら誰でもできそうですが、作業に自信がない人は、手を加えるとトラブルが増えるのでやめておいた方がいいと思います(ミスを放置してしまう可能性が出てくるので、車両トラブルが発生しやすくなる恐れがある)

 

 

まとめ

ベルトは車の機能を保つ大事な部品です

エンジンを積んでいる限りは、ベルトはなくならないでしょう

 

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